府中明郷学園を視察させていただきました
2025年2月10日、広島県府中市立府中明郷学園を視察しました。今回の視察では、同校が取り組むコミュニティスクールの活動や、キャリア教育の一環として行われている「模擬会社」の取り組みについて学びました。
日時:2025年2月10日(月)13:00~16:00
場所:府中市立府中明郷学園
講師:府中明郷学園 校長 佐伯 華彦 様
広島県府中市教育委員会 宮田 幸治 課長様
府中市コミュニティ・スクール連絡協議会、府中市立府中明郷学園学校運営協議会 立石 克昭 会長
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府中明郷学園とは?
府中明郷学園は、小中一貫教育を実施する学校で、地域と密接に連携しながら子どもたちの成長を支えています。
H22に小学校と中学校が統合され、新たな学びの場としてスタートしました。
コミュニティスクールの取り組み
府中明郷学園は、コミュニティスクールの運営において、地域と学校が協力して子どもたちの学びを支える仕組みを構築しています。
地域の方々が学校運営に関わり、子どもたちに多様な経験を提供することが大きな特徴です。
今回は地域と学校が一体となった教育の取り組みについて学ぶため、府中明郷学園を訪問しました。
取組み事例:むらさきラボ
コミュニティスクールの運営事例として学校の敷地内に近隣の方へ解放されたスペースを設ける「むらさきラボ」を実施されているそうです。
こちらはの意図としては
- 地域住民が自由に利用できるスペース
- リモートワークにも対応
- 子どもたちにさまざまな職業を見せる機会を提供
視察の中で、「キャリア教育の基本は、子どもたちに多様な大人の姿を見せること」とお話しされていたことが印象的でした。
親と先生以外、なかなか大人と関わりを持つ機会が少ないということが一般的だと思いますがその中でもこのような環境を創ることが重要なのだと思います。
取組み事例:模擬会社「LinkS」
府中明郷学園では、子どもたちが主体的に考え、行動する力を養うために「模擬会社」を運営しています。今年で6年目を迎え、地域企業と連携しながら商品開発や販売を実践しています。
模擬会社の特徴
- 8社の企業が関わり、地域企業へ発注し商品を制作・販売
- 商品の価格設定や販売戦略も子どもたち自身が決定
- 販売の場として文化祭や地域イベント、東京のアンテナショップも活用
特筆すべき教育的効果
- キャリア教育の革新的アプローチ
- 地域企業との密接な連携
- 子どもたちの主体性と自主性の育成
「失敗させましょう」が合言葉! 子どもたちは試行錯誤を繰り返しながら学んでいます。例えば、作成した「お好み焼きの時計」では、針が動かないトラブルが発生。原因を調べる過程で「製品検査の重要性」に気付きました。このような経験を通じて、主体性と課題解決力を身につけていきます。
経営理念の策定 「お客様、地域と社会がつながって一丸となり社会に貢献する~自ら考え判断し行動することで、笑顔と感謝の虹をかける」
子どもたちはこの理念を軸に、迷ったときには立ち返る習慣を身につけています。
地域と学校が一体となった教育
模擬会社の運営だけでなく、7年生(中1)の企業訪問、8年生(中2)の模擬会社運営、9年生(中3)の地域企業による面接指導など、学年間を通じたキャリア教育が行われています。
地域企業の関わり 地域の企業経営者も支援チームとして参加しているそうです。
基本的にはボランティアでの関わりとなりますが、子どもたちと直接関わる機会を作っています。
大手企業のようにテレビなどでCMをうつことが出来れば認知度もあがりますが、そのようなことをしなくても地域の企業を知ってもらうきっかけにもつながるようです。
地元にも良い会社は沢山ある。という郷土への誇りにもつながる施策となっています。
「地域で子どもを育てる」という意識改革
府中明郷学園の取り組みは、「地域で子どもを育てる」という意識改革の重要性を示しています。
子どもたちは、地域社会と関わり、様々な大人と触れ合うことで、社会性を育み、「生きる力」を身につけていきます。
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所感
府中明郷学園の取り組みは、地域と学校が一体となり、子どもたちに実践的な学びを提供する素晴らしい事例でした。教育は学校だけで完結するものではなく、地域全体で支えることで、子どもたちの可能性をより広げられると実感しました。
人口減少が進む中、このような教育モデルは地域の未来を切り開く可能性を秘めていると思います。
子どもたちの成長と地域の活性化を同時に実現する、まさに「街づくり」の視点からの教育実践に深く感銘を受けました。
今後、羽島市においても、府中明郷学園の取り組みを参考に、地域と学校の新しい関係性、そして街づくりについて考えていきたいですね。
ご対応いただいた皆様ありがとうございました。
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