大災害発生時の羽島市の対応体制について学ぶ
2025年2月2日、羽島市ふれあい会館にて「大災害発生時の羽島市の対応体制について学ぶ」というテーマで講演会が開催されました。本講演では、羽島市の各部門の専門家が登壇し、災害時の対応体制や課題について詳しく説明してくださいました。
日時:2025年2月2日
場所:羽島市ふれあい会館 2F
演題:大災害発生時の羽島市の対応体制について学ぶ
1. 羽島市各地で火災が発生した場合の対応体制
羽島消防署の戸崎靖浩様より、火災発生時の対応について説明がありました。
- 初動対応
- 大規模災害時には、羽島市業務継続計画(BCP)に基づき対応。
- 地震(震度5以上)や水害発生時には無線で招集。
- 業務遂行手順
- 施設の被害確認・水利調査
- 出動可能な車両の精査
- 被害情報の収集(災害発生後15分以内を目標)
- 出動優先順位の決定
- 消防団と近隣消防本部の連携
- 震度5以上で消防団46名が出動。
- 岐阜市、羽島郡、大垣市、海津市、輪之内町と消防相互応援協定を締結。
- 木曽川流域・岐阜県広域の応援体制も確保。
- 緊急消防救助隊の出動実績(例:令和6年能登半島地震、大雨被害)。
- 受援体制
- 各消防隊の集結場所:羽島市消防本部、岐阜県立看護大学。
- 宿営地:福寿スポーツパーク。
2. 地震発生時の上下水道の対応
上下水道部の谷口俊哉様より、水道インフラの対応についての説明がありました。
- 水源地の止水
- 小熊、江吉良、桑原水源地には緊急遮断弁が設置。
- 配水池が2池ずつあり、停電時でも利用可能。
- 断水時の給水対応
- 給水車2台と可搬式給水栓を設置。
- 防災士による給水活動のサポートが期待される。
- 下水道の液状化対策
- 地震時にマンホールが浮上するリスクを軽減するため「フロートレス工法」を採用。
- 防災士には、避難所での応急給水活動の補助をお願い。
- 断水時のトイレ使用制限と簡易トイレの活用を推奨。
3. 福祉避難所と要支援者の避難誘導
健康福祉部の廣瀬由樹様より、高齢者や障がい者への配慮について説明がありました。
- 福祉避難所の運営
- 11の社会福祉法人と避難所協定を締結。
- 通常の指定避難所から2次避難所として福祉避難所を開設。
- 要支援者・要介護者の避難誘導
- 避難所内での配慮(尊重・わかりやすい説明・ヘルプマーク活用)。
- コミュニケーションの工夫(筆談・手話・身振り手振り)。
- 避難所の周囲の理解促進。
- 防災士には、災害時の高齢者・障がい者支援を期待。
- 「助けてリスト」の作成課題
- 65歳以上で抽出すると1万人を超えるため、優先順位を検討。
- 女性目線での避難所運営(妊婦や乳幼児向けの備蓄強化)。
4. 羽島市の危機管理体制
危機管理課の浅野貴久様より、災害時の全体対応について説明がありました。
- 災害の定義と規模の判断
- 羽島市では津波のリスクは低いが、液状化リスクは平坦な地形のため限定的。
- 大規模災害時には災害救助法が適用され、国(都道府県)が主導。
- イタリアの防災モデルの紹介
- 被災者250人・支援者50人の「TKB48システム」。
- 外部からの支援が9割を占める運営方式。
- 能登半島地震の教訓
- 石川県では災害関連死が直接死を超過。
- 避難生活の長期化が健康リスクを増大。
まとめ
今回の講演では、羽島市の各部門が災害時の対応について詳細に説明してくださいました。火災・水道・避難所運営・危機管理の各視点から、
- 初動対応の重要性
- 近隣自治体との連携
- 福祉避難所の課題
- 高齢者・障がい者支援の必要性
といったポイントが共有されました。
防災士や地域住民が平時からの準備を進めることが、実際の災害時に大きな力となります。今後も、市民の皆さんと共に防災意識を高めていきたいと思います。
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