2025/1/31 羽島市議会と海津市議会における合同議員研修会が開催されましたので参加させていただきました。
今回はその研修レポートになります。
【研修レポート】
日時:2025年1月31日
場所:海津市役所
講師:関東学院大学法学部地域創生学科教授 牧瀬 稔先生
演題:人口減少に対する視点
人口減少に対する視点
先日、関東学院大学法学部地域創生学科の牧瀬稔教授を講師に迎え、「人口減少に対する視点」というテーマで講演を拝聴しました。
少子高齢化が進む日本において、自治体としてどのように人口減少問題に向き合うべきか、多くの示唆を得ることができました。
人口減少と自治体の役割
地方自治体の目的は何か。それは「住民の福祉の増進」にあります。
これは地方自治法第1条2項にも明記されている通り、人口が増加するか減少するかにかかわらず、住民が幸福に暮らせる環境を整えることが最も重要です。
「福祉」という言葉は広義的に「幸福感」とも言い換えることができます。
つまり、自治体の役割は住民の幸福感を増進させることにあるのです。
人口が減少する時代にあっても、どのようにして住民の幸福感を高めていくのかが、地方自治体の課題となります。
地方創生の現状と課題
「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、政府は地方創生を推進してきました。
その目的は、人口減少の歯止めや東京圏への過度な人口集中の是正、住みよい環境の確保など多岐にわたります。
しかし、第一期の地方創生の成果を見ると、人口減少の流れは大きく改善されていません。
特に、日本の将来人口推計では2045年までに総人口が2割以上減少する自治体が73.9%に達するとされています。
人口減少の速度は緩やかになりつつあるものの、根本的な解決には至っていません。
人口増加に向けた戦略
人口増加を目指す自治体は、明確な戦略を持っているとのお話しでした。
今回はそちらの一部をご紹介させていただきます。
① ターゲットの明確化
流山市の「母になるなら、流山市」というキャッチフレーズのように、特定の層をターゲットにした政策が成功しています。ターゲット層を定めることで、施策を具体化しやすくなります。
② 転入増加のための施策
戸田市では「戸田市に住もう」というインターネット広告を活用し、転入者増加を狙いました。また、明石市では近隣マンションにポスティングを行い、転入者への補助を提供することで人口増加を実現しました。
③ シビックプライドの向上
住民の地域への誇りを高める「シビックプライド」は、Uターン率の向上や定住率の向上につながります。地域イベントの企画や、住民参加型の施策を進めることで、住民の地域愛を育むことができます。
今後の展望
人口減少は避けられない課題ですが、自治体が適切な施策を打ち出せば、人口減少の抑制や住民福祉の向上は可能です。地方自治体として、住民の幸福感を高めるための施策をしっかりと展開し、持続可能な地域づくりに取り組んでいくことが必要です。
所感
講演を通じて、人口減少問題への向き合い方が自治体の未来を大きく左右することを改めて認識しました。
ただ単に人口を増やすことを目的とするのではなく、地域に住む人々が「ここで暮らして良かった」と思えるような施策を展開していくことが重要です。
人口減少は避けられない現実ですが、地域の特性を生かしながら、持続可能なまちづくりを進めていきたいと強く感じました。
また、ドラッカーの言葉にあるように、「誠実さ」はリーダーにとって最も重要な資質です。
市議会議員として、誠実さを持って住民と向き合い、信頼を得られるよう行動していくことが不可欠だと改めて実感しました。
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